iPhoneを使ってプロのように動画撮影する方法【おすすめ機材&アプリ】

iPhoneの普及により、誰もが美しい写真や動画を簡単に撮影できる時代が到来しました。特に最近では、iPhoneは暗所での撮影という従来の課題にも大きな改善が見られます。

しかしそれだけでなく、標準搭載のカメラアプリも頻繁にバージョンアップされ、スローモーションやタイムラプスなど、これまでプロにしかできなかった撮影技術を利用できるようになりました。

iPhoneを使えば、どんなシーンでも適切なシャッタースピードなどの設定を自動的に選んでくれるため、ユーザーはその機能を活用できるようになりました。

ただし、標準の写真アプリではシネマティックな動画を撮影することはできません。なぜなら、ログ撮影*1がサポートされていないためです。ログ撮影を行うと、通常の撮影では被写体のハイライト部分が飛びやすく、シャドウ部分が詰まりがちな状況でも、カラーデータが劣化せずに保持され、より現実に近い映像を編集によって作り出すことが可能となります。

そこで今回は、「FPS*2」などの専門的な用語は置いておいて、iPhoneを使用してシネマティックな動画を撮影するために必要な「機材」と「アプリ」をご紹介します。これらは全て、私自身が実際に手に取り、その有用性を実感しているアイテムばかりです。

iPhoneを使ってプロのように動画撮影する方法【おすすめ機材&アプリ】

1. 可変式NDフィルター

NDフィルター

強烈な日差しのもと、特に昼間によく見受けられる現象として、映像が過度に明るくなってしまい、白っぽく映ることがあります。この問題を解決するためには、NDフィルターが不可欠です。NDフィルターは、光の量を調整して適切な明るさで映像を撮影するのに役立ちます。価格帯はさまざまですが、私が選んだのは「Neewer 37MMクリップオンND 2-400」で、価格は約2,000円前後です。低価格ながらも、充分に実用的な品質です。高額なアイテムを選ぶ必要は全くありません。

【重要】iPhoneについても、1つのレンズを持つモデル、2つのレンズを持つモデル、3つのレンズを持つモデルなど、様々なバリエーションが存在します。したがって、自分が所有しているiPhoneに選んだNDフィルターが適用できるか必ず確認してください。適切なフィルターを選ぶことで、映像のクオリティを向上させることができます。

2. ジンバル

ジンバル(dji OM 4)

カメラを固定して撮影することで、揺れのない安定した映像を得ることができますが、特定のシーンでは移動しながら撮影することが求められることもあります。歩きながら撮影する際には、映像に縦揺れや横揺れが生じることがよくあります。こうした揺れを軽減するために、ジンバルが活用されます。

私自身は現在、「dji OM4」を主に使用しています。多くのプロフェッショナルカメラマンが高く評価しているこの製品は、使い勝手が非常に良く、安定性のある映像(魅力的な映像)を撮影することができます。ジンバルを駆使することで、歩きながらの撮影でもプロフェッショナルな品質の映像が実現できます。

私が現在愛用しているのは「dji OM4」ですが、最新モデルとして「dji OM6」が既に市場に登場しています。この新しいモデルは、内蔵された「延長ロッド」が特徴的で、そのロッドは22cmもの長さを確保できます。この延長ロッドを活用することで、仮想ドローン効果を簡単に演出することができます。まるで空中に浮かぶような映像表現が実現可能となるわけです。価格的にも「dji OM4」とほとんど変わらないため、新機能を享受しつつコストパフォーマンスも高い「dji OM6」をおすすめします。

※過去に「ジンバルの傾き調整」に関する記事を書いたことがありました。詳しくはコチラ→【DJI OM4の使い方】ジンバルにセットしたスマホが『水平にならない』時の対処法

3. 動画撮影に特化したアプリ

Moment 撮影画面

カメラアプリの「Moment」を用いれば、映画さながらの撮影体験を手にすることができます。iPhoneの標準カメラアプリを使用する際は、全てが自動的に設定されますが、「Moment」アプリを活用することで、シャッタースピードやISO値などの設定をマニュアルで操作することが可能です。さらに、後からカラーグレーディング(色補正)を行いやすいlog撮影も実現できます。このアプリを通じて、よりクリエイティブな撮影と編集が可能となります。

Pro Camera by Moment

Pro Camera by Moment

  • Moment Inc.
  • 写真/ビデオ
  • ¥1,300

追記:紹介した機材とアプリを使用して制作した映像【1分14秒の動画】

京都嵐山を撮影しました。スナップショット映像です。

↓中央の再生ボタンを押してご覧ください↓


まとめ

今回挙げた3つのアイテムを手に入れることで、手軽にシネマティックな映像を撮影することが可能となります。これらのアイテムの合計金額は25,000円以下で収まります。その後は、どのようなシーンをどのように捉えるか、それは個々人のセンスに委ねられます。優秀なクリエイターが集うvimeoなどで幅広いジャンルの映像を観賞し、その撮影手法を模倣するというのも有益なアイディアです。これによって、自身の撮影スキルが向上し、より魅力的な映像を制作することができるでしょう。以上、「iPhoneを使ってプロのように動画撮影する方法【おすすめ機材&アプリ】」という話題でした。

*1:Log撮影をすると、通常の撮影では黒潰れや白飛びを起こしがちな被写体でも、カラーデーターが失われることなく記録され、よりイメージに近い映像を編集により作り出すことが可能です。

*2:FPSとは、「Frames Per Second」の略で1秒(1フレーム)を表現するのに必要な画像数の単位。


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